クレソンとは
クレソンの栄養素に含まれるカロテンは血を綺麗にするとともに、その他の成分においては、元よりの強い抗酸化作用に加えて近年では抗糖化作用*も確認されていて、がんや老化を防ぐ効果もあります。 (*糖化とは、身体の中でタンパク質と余分な糖が結びついてタンパク質が変性、劣化してAGEs(糖化 最終生成物)という名の老化物質を生成する反応。)
近年では、この二つを抑えることにより、「アンチエイジング効果」が期待できるとされており、がんのリスクを減少させるという点に関しては、がん研究の世界的権威である「国際がん研究機関」 (IARC)の発表により、効果の期待できる優秀な野菜と指摘されています。
また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の機関誌「Preventing Chronic Disease(慢性疾患を予 防する)」の研究によれば、健康に重要とされるカリウム、食物繊維、タンパク質、カルシウム、鉄、 チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、亜鉛、ビタミンA、B6、B12、C、D、E、Kの17の栄養 素の含有量をもとに食品がスコア化されていて、スコア100点獲得して第1位にランクインしたのは 「クレソン」でした。
クレソンは“最強の野菜”
クレソンの効果・効能表
勝田公雄 医学博士のコメント
「クレソン」は、欧米では薬用ハーブとしても活用される身近な野菜です。
日本では、ステーキの横にある付け合わせくらいの印象しか無いかもしれませんが、近年の研究では、炎症を抑えたり、のどの筋肉を緩めて、「咳」を鎮めたり、「喘息」の発作を和らげる働きがあることが分かり注目されています。もともとクレソンは、ヨーロッパでは、血液浄化や滋養強壮などの薬用ハーブとして用いられてきた歴史があります。クレソンの学名はナスタチューム・オフェチナーレと言いますが、オフェチナーレは、「薬効がある」という意味です。
また中国では、クレソンのことを「西洋菜千」と呼び、咳止めや解熱の生薬として用いています。日本に伝えられたのは明治初期の頃で、「オランダガラシ」または「ミズガラシ」と呼ばれました。
医薬品として販売されている国もあります。薬効をもたらす一つは、『イソチオシアン酸アリル』ではないかと考えられています。この成分は、にんにくやワサビ、大根にも含まれる辛みのもとになる物質の仲間で、クレソンのツンとした辛味成分です。『イソチオシアン酸アリル』は、強力な抗酸化作用を持っているので、これが炎症を抑える働きをしていると考えられるのです。(はつらつ元気)
【勝田公雄 医学博士】 昭和52年新潟大学医学研究科博士課程修了(1年後に博士学位取得)。同年、山之内製薬㈱(現アステラス製薬㈱)入社。中央研究所にて血液分野を中心に創薬探索担当。平成元年、山之内製薬㈱を退職し株式会社バイオアークを設立し、現在に至る。 |